COLUMN

エンジニア2年目で成長実感がない理由と次の一手

公開日 著者 ENFI編集部 監修 米田葵

この記事の結論

2年目の停滞感は、仕事が繰り返しに入ったことと、成長の測り方を持っていないことから来ます。今の経験を書き出し、ありたい姿との差から次の行動を決めます。

割り振られた仕事は一人で終えられるし、レビューで差し戻されることも減った。それなのに、去年と比べて何ができるようになったのかを聞かれると、うまく答えられない。2年目から3年目にかけて、この感覚を持つ人は多いと思います。

エンジニア2年目で成長実感がないのはなぜ?

1年目は「できなかったことができるようになる」変化が毎週あったのに対し、2年目は同じ種類の仕事を速く正確にこなす時期に入ります。変化の幅が小さくなるので、自分では伸びが見えにくくなります。

1年目に覚えるのは、開発環境の使い方やチケットの書き方、レビューの出し方といった、新しい環境に慣れるための知識です。2年目に伸びるのは、障害の原因を絞り込む速さや影響範囲の読み、先回りして確認する癖のほうです。どれも実務では大きい力ですが、「新しくできるようになったこと」としては数えにくいんです。

もうひとつの理由は、成長を測る物差しを会社の評価シートしか持っていないことです。評価シートは半年か1年に一度しか動かず、等級が据え置きの期間はそのまま「成長なし」と読めてしまいます。同期やSNSと比べても、自分がどれだけ伸びたかは分かりません。この半年で初めて担当した作業や、初めて一人で判断した場面を自分で書き出し、1年前の自分と比べると判断の材料になります。

停滞の原因を、環境と自分の動き方に分ける

「今の職場であと1年続けたら、できることが増えるか」と「増える余地があるのに自分が取りに行っていないか」の2つを分けて考えると、原因がどこにあるかが分かります。担当範囲が固定されている、設計の議論に呼ばれないといった環境の問題は、努力量では埋めにくい部分です。一方で、任された範囲だけをきれいに終わらせ、設計の理由を誰にも聞いていないなら、環境を変えても同じ状態が続きます。

環境側のサイン 自分側のサイン 最初に試すこと
1年以上、担当する機能も作業の種類も変わらない 変えてほしいと誰にも言っていない 上長との面談で、次に挑戦したい作業を具体的に1つ伝える
設計やレビューの場に呼ばれない 決まった設計の理由を聞いていない 実装前に「この方式を選んだ理由」を担当者に質問する
社内に技術的な相談相手がいない 社外の勉強会やコミュニティに出ていない 月1回、社外で他社のエンジニアと話す機会をつくる
新規開発の案件が会社に入ってこない 業務外で手を動かしていない 小さくても動くものを自分で1つ作り、公開する

実務的な物差しになるのは、担当した仕事について、どんな課題があり、自分がどう判断し、結果どうなったかを自分の言葉で説明できるかどうかです。同じ保守案件を2年続けていても、「去年の障害で、ログのどこを見て原因をアプリ側に絞ったか」を説明できるなら、経験は積み上がっています。作業手順は再現できるのに判断の理由を言えない部分があれば、その部分が次に埋める材料です。ENFIのQUESTで使っている、課題、作業の分け方、レビューで直した点、動かして見せる、学びの順に3分で話す型で今の仕事を説明してみると、自分がどこまで理解して進めていたかがはっきりします。

2年目で取れる選択肢は転職だけではない

残って担当範囲を広げる、社内で異動を希望する、業務外で手を動かす、転職する。どれも選択肢で、どれを選ぶかを決めるのはありたい姿との差です。

ENFIでは、今持っているもの(Have)を書き出して、ありたい姿(Be)との差を見てから行動(Do)を決めます。Haveには関わったプロジェクトの内容と自分の役割、使った技術、誇れる成果を書きます。Beには「あの人といえば○○」と言われたいエンジニア像や働き方を書き、その差から3か月以内にできることを決めます。2年目で成長実感がない人も、2年分の経験はすでにあり、書き出してみると思っていたより材料が見つかります。

判断の目安について、米田は、指示をもらって仕事をこなしていた1年目から、徐々に自分から仕事をもらいにいけるようになっていれば、そのまま続けていいと考えています。同じ仕事ばかり来る状態が続くなら、上長に次の担当を相談する、社内の別チームに興味を伝えるなど、何かしら自分から行動を取るべきです。環境を少しずつ変えることがスキルアップにつながりやすいのが一般論だと米田は考えていますが、経験が浅いうちは会社や先輩の信頼で仕事をもらえる環境にも意味があります。

代表・米田の視点 私自身、派遣エンジニアとして働いていた2〜3年目は同じような仕事の繰り返しでした。そこから抜け出そうとせず、仕事があるからいいや、という姿勢だったんです。今思えば非常にもったいなかった。1年目は上司から指示を受けてこなすのでいいのですが、3年目にもなって指示待ちをしていては成長できません。自分から仕事を取っていく姿勢があるかどうかだと思います。

今日からできる次の一歩

大きな決断の前に、手元の材料を書き出すところからで十分です。

  1. この1年で担当した仕事を3件書き出し、それぞれ「どんな課題があったか」「自分は何を判断したか」「結果どうなったか」を2行ずつ書く
  2. 「あの人といえば○○と言われたい」に、今の答えを1行で書いてみる
  3. 1と2の差の中から、3か月以内に動かせるものを1つだけ選ぶ

3つ目は、上長に次の担当を相談する、設計の理由を実装前に聞くといった小さなもので構いません。そのくらいの大きさのほうが、来月も続けられます。

よくある質問

エンジニア2年目で転職を考えるのは早すぎますか?

今の環境であと1年続けたときに、できることが増えるかで判断します。増える見込みがあるなら残って担当範囲を広げる選択肢もありますし、見込みが薄いなら社内異動も含めて環境を変える検討をしていい時期です。

成長実感がないのは自分の努力不足でしょうか?

2年目は同じ種類の仕事を速く正確にこなす時期に入るため、変化が自分では見えにくくなります。努力量を疑う前に、この1年の担当業務と自分がした判断を書き出して、本当に増えていないのかを確認してみてください。

何を勉強すればいいか分からないときはどうすればいいですか?

先に5年後にどんなエンジニアと言われたいかを1行書き、それから技術を選ぶと候補が絞れます。ENFIでは今持っているもの、ありたい姿、行動の順で整理することをすすめています。

保守・運用の仕事ばかりで成長できている気がしません

障害が起きたときにどう切り分けたか、なぜその直し方を選んだかを説明できるなら、それは積み上がっている経験です。説明できない部分があるなら、そこが次に埋める材料になります。

同期と比べて焦ってしまいます

比較する相手が他人だと、自分がどれだけ伸びたかは見えません。1年前の自分にできなかったことを3つ挙げられるかで測ると、判断の材料になります。