COLUMN
エンジニアの面接の逆質問、入社後のずれを防ぐための聞き方
この記事の結論
逆質問は、評価制度や配属、開発の進め方を確かめる時間です。入社後に「聞いていた話と違う」となるのを防ぐための、最後の確認の機会として使います。
面接の最後に「何かご質問はありますか」と聞かれて、用意してきた質問を2つほど出して終わることがあります。
逆質問は、印象をよくするためのアピールの場だと考えられがちです。一方で、入社してから「聞いていた話と違う」となるのを防ぐために、自分から確かめられる時間でもあります。
逆質問は、面接のなかで何のための時間?
自分をアピールする時間というより、入社後の働き方を確かめて、ずれを防ぐための時間です。
求人票に書いてあるのは、職種名と使用技術、おおまかな業務内容くらいです。実際に自分がどのチームで、どんな進め方で、誰にどう評価されるのかは、そこには書かれていません。面接官が説明してくれる内容も、会社として伝えたいことが中心になります。残りを埋められるのは、自分で聞いたときだけなんです。
ENFIでは、キャリアを考えるときにBE-DO-HAVEという順番で棚卸しをします。今持っている経験(Have)を書き出し、5年後にありたい姿(Be)を言葉にして、その差を埋める行動(Do)を決める、という流れです。逆質問も同じで、聞くことはBeから決まります。たとえば「設計から関わる人になりたい」がBeなら、確かめるのは要件定義に誰が入っているかであって、福利厚生ではありません。
聞いた結果、この会社では自分の望む働き方ができないと分かることもあります。入社する前にそれが分かったのなら、逆質問の時間をうまく使えたことになります。ENFIは転職ありきで話をしません。応募を見送る判断も、選択肢の1つだと考えています。
代表・米田の視点 私は転職の面接で、会社の経営課題を聞きました。年収が上がるかどうかは、その会社がどんなビジネスをしているかが大きいと思っているので、経営の話は条件の話とつながっていると考えています。
入社後のずれを防ぐには、何を聞く?
評価制度、配属、開発の進め方。この3つは入社後の働き方に直結するので、逆質問で確かめておきます。
| 確かめたいこと | 聞き方の観点 |
|---|---|
| 評価制度 | 何ができたら評価が上がるのか。技術を深める人と、まとめる人で評価のされ方が違うのか |
| 配属 | 入社後に配属されるチームと担当業務。配属が変わるとしたら、どういうきっかけで変わるのか |
| 開発の進め方 | 要件定義から誰が関わるのか。レビューやテストをどこまでやっているのか |
評価制度は、制度の名前を聞いても働き方は見えてきません。「このポジションで評価が上がった方は、どんなことをされていましたか」と、人の話として聞くほうが具体的な答えが返ってきます。
配属は、聞きにくいと感じる人が多いところです。ただ、入ってみたら想定と違うチームだった、というずれが一番起きやすいのもここです。「内定をいただいた場合、どのチームでどんな業務から始まる想定でしょうか」と、事実確認として聞いて構いません。
開発の進め方は、自分の経験と照らして聞くと話が進みます。今の職場で詳細設計から担当しているなら、同じ工程を相手の会社ではどう分担しているのか。工程の呼び方は会社ごとに違うので、言葉をそろえる意味でも確かめておく価値があります。
そして、米田が聞いた経営課題のような質問は、どの会社でも使えます。会社がどこに力を入れているかが分かれば、自分の担当業務が今後増えるのか減るのかも、ある程度想像がつきます。
残業・年収など、聞きにくいことの聞き方
条件を聞くのは失礼ではありません。聞く目的を添えて、働き方を知りたい、という形で聞きます。
米田は、家庭の都合で稼働時間に制約があるといった、明確な理由をつけて聞くのがよいと考えています。理由があれば、質問の意図が相手に正しく伝わります。「残業はどれくらいですか」だけだと、働きたくないのかなと受け取られる余地が残る。でも「子どもの送りがあるため、始業時間と繁忙期の状況を伺えますか」なら、確認すべきことを確認しているだけだと分かってもらえます。
理由は、家庭の事情に限りません。夜に学習時間を確保したい、副業の予定がある、通院がある。自分にとって本当のことであれば、何でも構いません。嘘の理由を作る必要はないんです。
年収も同じで、希望額を伝えたうえで「この水準に届くのは、どういう経験を積んだ方でしょうか」と聞けば、評価制度の話につながります。金額だけを単独で聞くより、入社後の見通しまで分かります。
聞き方を整えたうえで質問したときに、相手がどう答えてくれるかも、その会社で働くかを決める材料になります。
今日からできる次の一歩
まずは、気になっている企業に確かめたいことを紙に書き出します。
- 評価制度、配属、開発の進め方の3つに分けて、知りたいことを思いつくまま書き出す。このとき「5年後にどんなエンジニアでいたいか」を先に一行書いておくと、質問を選ぶ基準になります
- 書き出した質問に優先順位を付け、上位3つに絞る。そのうち聞きにくいものには、自分の事情を理由として一文添えた聞き方を、口に出して言えるところまで用意しておく
面接の場で考えると、当たり障りのない質問になりやすいので、聞きたいことは前もって紙に書いておきます。
よくある質問
逆質問は何個用意すればいいですか?
決まった数はありません。優先順位を付けた質問を3つほど用意しておくと、面接中に話が進んで一部が解消されたときも対応できます。残り時間に合わせて削れるようにしておくと安心です。
面接で説明されたことを、もう一度聞いてもいいですか?
同じ内容をそのまま聞き返すより、説明を受けて分からなかった点や、もう少し具体的に知りたい点に絞るほうが話が深まります。「先ほどの○○について、具体的な進め方を伺えますか」と前置きすると自然です。
逆質問が思い浮かばないときはどうしますか?
自分が入社後に担当する仕事の1日の流れや、評価される場面を聞いてみてください。入社後の姿が具体的になり、そこから次の質問も出てきます。