COLUMN
年内・年度末に辞めたいエンジニアへ。揉めない伝え方と引き継ぎの順番
この記事の結論
年内や3月末に辞めたいなら、11月中に上長へ伝える準備を始めます。引き継ぎの形を先に作ってから切り出すと、揉めずに進みます。
退職を決めたのに、担当しているプロジェクトがまだ動いていると、切り出すタイミングが見つかりません。迷っているうちに12月の繁忙期に入り、年末年始の休みをはさんで、話がさらに先送りになります。
揉めずに辞めるには、誰にどの順番で伝えるかと、引き継ぎをどこで区切るかを先に決めておきます。
年内・年度末に辞めるなら、いつ言い出せばいい?
まず就業規則で退職の申し出時期を確かめ、そこに引き継ぎの期間と年末年始の休みを足して、伝える日を決めます。
申し出の期限は会社によって違います。1か月前と書いてある会社もあれば、3か月以上前と決めている会社もあります。期限を確かめずに1か月前のつもりで切り出すと、希望日に辞められず、日程の調整をやり直すことになります。雇用契約書と就業規則、両方に目を通しておいてください。
そのうえで12月の事情を考えます。年末は作業が立て込みやすく、年末年始の休みのあいだは上長と話す時間も取れません。年内に辞めたい人も、3月末で辞めたい人も、11月のうちに上長の予定を押さえておくと、引き継ぎの相談まで含めて余裕を持って進められます。
プロジェクトの切れ目を待つかどうかについて、米田は、切れ目まで担当しきったほうが自分の実績としては良いと考えています。ただし、待っていてもきりの良い場所が見つからない現場もあります。そのときは3か月後に辞めると自分で決めて、そこから逆算してください。
米田は、辞めたあとの人員補充は会社がやることで、本人の責任ではないとも話しています。補充のことまで自分で考えていると、いつまでも言い出せなくなります。
客先に常駐している場合は、契約の更新時期も確認しておきます。更新のタイミングを自分で判断せず、自社の上長や営業に次の更新はいつかを聞くところから始めてください。
誰に、どの順番で、何と伝えるか
最初に伝えるのは、自社で自分を担当している上長です。客先やチームには、上長と誰がいつ伝えるかを決めてから話します。
客先に常駐しているなら、自社の上長か営業担当に先に伝え、客先にはそのあとで伝えます。契約は会社と会社の間で結ばれているので、現場のリーダーに先に伝えてしまうと、自社が知らないうちに客先が動き出し、社内でも客先でも説明をやり直すことになります。伝える順番を守れば、このやり直しは起きません。
伝える内容は短くて構いません。次にやりたいことを中心に、退職の意思と希望日を伝えれば十分です。待遇や人間関係への不満を並べると、その不満が正しいかどうかの話し合いが始まり、退職の話が長引きます。
辞めることが決まったあとも、同僚に会社の悪いところを言わないようにします。同じ業界で働いていれば、いつどこで同僚と再会するか分からないからです。
代表・米田の視点 会社の悪いところを同僚に言ったり、マイナス面を出すことはやめたほうがいいです。同じ業界なので、いつどこで再会するか分かりませんから、円満退社でいきたいところです。私自身、派遣エンジニアを9年ほど続けて2回目の転職をしたときは、社内規則で3カ月以上前に通達することになっていたので、しっかりそこは守りました。確か営業担当の方に退職したい旨を伝えた記憶があります。
引き止められたときは、提示された条件が自分の辞めたい理由を解消するかどうかで判断してください。給与だけが理由だったなら、条件次第で残るのも1つの選択です。ENFIは転職ありきで考えません。残る、異動する、辞めるという選択肢を同じように検討して、自分で選べる状態にしておくほうが、あとから後悔しにくいと考えています。
引き継ぎは、どこまでやれば十分か
全部を渡しきる前提をやめて、後任の作業が止まらない情報から順に残します。
優先して書くのは次の3つです。
- どこに何があるか(リポジトリ、設計書、認証情報の管理場所、関係者の連絡先)
- 定例作業(日次・週次・月次で必ず発生する作業と、その手順)
- 障害が起きたときの初動(どのログを見て、誰に連絡するか)
この3つがそろっていれば、細かい経緯を知らない人でも作業を再開しやすくなります。詳細な仕様書を書く前に、この3つを先に書いてください。
終わらなかった分は、引き継ぎメモに未完了と書いて残してください。残っている作業を一覧にして上長に渡しておくと、後任も上長も対処しやすくなります。年末年始の休みに入る前に、その一覧を上長と一度突き合わせておくと安心です。
退職の段取りと並行して、もう1つやっておいてほしいことがあります。次の職場で何をしたいのかを書き出すことです。ENFIでは、今持っている経験(Have)とありたい姿(Be)を書き出し、その差から次の行動(Do)を決める棚卸しを使っています。辞めたい理由だけで次の職場を選ぶと、次の職場でも同じ不満を抱えることがあります。自分が何をやりたいのかを1行でも書いておくと、引き止めの条件を出されたときも迷いにくくなります。
今日からできる次の一歩
今日は、就業規則で退職の申し出時期を確かめ、伝えたい日をカレンダーに書き込みます。
- 就業規則と雇用契約書で申し出の期限を確認し、年末年始の休みを除いたうえで、上長に伝える日を決めて予定に入れる
- 自分が抜けたら止まる作業を3つ書き出す(引き継ぎメモの出発点になります)
言い出すのが遅くなるほど、選べる退職日は少なくなります。伝える日を先に決めておけば、その日までに何を準備すればいいかを逆算できます。
よくある質問
退職はどのくらい前に伝えるべきですか?
まず自社の就業規則に書かれた申し出時期を確認してください。規程より早めに伝えるほど、引き継ぎの計画は立てやすくなります。民法上の扱いは雇用契約の形態で異なるため、不安があれば契約書と規程を合わせて確認するのが確実です。
常駐先・客先には自分から伝えたほうがいいですか?
自分から先に伝えるのは避け、自社の上長や営業と、誰がいつ伝えるかを決めてから動くのが無難です。契約関係は会社と会社の間にあるため、順番を飛ばすと社内でも客先でも話がこじれやすくなります。
退職理由は正直に話すべきですか?
次にやりたいことを中心に短く伝えるのがおすすめです。待遇や人間関係への不満を並べると、その不満が正しいかどうかの話し合いが始まり、退職の話が進まなくなります。改善してほしい点は、必要なら退職が決まったあとに別の場で伝える方法もあります。
強く引き止められたらどう判断すればいいですか?
提示された条件が、自分が辞めたかった理由を本当に解消するかで判断します。辞めたい理由が待遇だけだったのか、やりたい仕事や働き方まで含むのかを分けて考えると答えが出やすくなります。条件が変わるなら、残ることも選択肢の1つです。
引き継ぎが終わらないまま退職日が来そうです。
すべてを引き継ぐ前提をやめ、後任の作業が止まらない情報から順に残してください。どこに何があるか、定例作業、障害が起きたときの初動の3点がそろえば、多くの業務は再開できます。残った分は引き継ぎメモに未完了と書いておくと、後任も上長も対処しやすくなります。