COLUMN
不況も転職も怖くないエンジニアへ。スキル・お金・信用のそろえ方
この記事の結論
不況や転職に振り回されないために、エンジニアはスキル・お金・信用を少しずつそろえておきましょう。どれか1つだけでは足りません。
不況のニュースやAIの話題を見るたびに、この先も自分に仕事があるのか気になる。そう感じている方は少なくないと思います。手を動かすスキルは磨いてきたけれど、それだけで十分なのか分からない。そんな状態だと、不安は消えません。
米田はXで、エンジニアにとって大切なのはスキル・お金・信用の3つで、これがそろえば不況も転職も怖くない、と書いています。スキル・お金・信用のそれぞれで何をそろえておけばいいかを、順に書いていきます。
不況や転職を怖がらないために、エンジニアに必要なものは?
スキル、お金、信用の3つです。どれか1つだけでは、不安の種類が変わるだけで消えません。
スキルがあっても貯えがなければ、今すぐ給料をもらえる選択肢しか選べません。お金に余裕があっても、周囲から任せてもらえなければ仕事の中身は変わりません。信用があっても、技術の変化に合わせて自分の役割を更新できなければ、同じ場所にとどまり続けることになります。3つは別々の不安に対応しているので、並行して少しずつ増やすのが現実的です。
ここでENFIの考え方を1つ置いておきます。ENFIは転職ありきの支援をしません。転職、今の会社に残る、社内で異動する、学び直す。この4つを並べて、本人が自分で選べる状態をゴールにしています。スキル・お金・信用をそろえる目的も同じで、選択肢を増やすことです。不況が来たときに困るのは、スキルが足りないからというより、選べるカードが1枚しかない状態だからです。
スキルは、仕事を選べる理由になる
ここで言うスキルは、言語やフレームワークを使えるかどうかではありません。米田は、折衝能力をはじめとするヒューマンスキルを挙げています。
もう少し具体的にすると、お客様やクライアントがどんな業務課題を抱えているのかを言葉にできる力です。AIが普及した今、コードの書き方そのものの希少性は下がりました。一方で、目の前の業務のどこが非効率で、何を解決すれば利益や時間が変わるのかを整理する作業は、相手と話さないと進みません。ここは人が担う部分として残ります。
とはいえ、技術を学ばなくていいという話ではないんです。米田はAIについて、エンジニアが扱えると強くなれる道具だと考えています。新しい技術は、課題を解決する手段の引き出しになります。引き出しの数と、課題を聞き出す力。この両方があると、「この案件は自分がやったほうがいい」と自分から言えるようになります。
代表・米田の視点 3つのうちで一番おろそかになりやすいのは、スキルの意味をはき違えてしまうことだと思います。AI時代になった今、言語が扱えるかどうかの能力は、以前ほど重要ではなくなりました。大事なのは、お客様やクライアントがどのような業務課題を抱えているのかを言語化できることです。
お金の備えがあると、選択肢を守れる
お金は、稼ぐ力であり、心の余裕につながるものです。備えがないと、人生の選択肢そのものが減っていきます。
米田自身、お金がなくて心の余裕がなかった時期があります。常に頭の中にお金の不安があった、と振り返ります。この状態がやっかいなのは、判断が短期に寄ることです。本当は半年かけて学び直したほうがいい場面でも、今月の収入を優先してしまう。不況のニュースに過剰に反応してしまうのも、だいたいこの状態のときです。
FPとして米田が最初にすすめるのは、次の3つです。
- 稼いだお金をうまく使うこと
- 無駄をなくすこと
- 稼いだお金をそのまま預金せず、投資に回すこと(自己投資も含みます)
3つ目について補足すると、ここで言う投資には書籍代やスクール代、学習にかける時間への支出も入ります。何にいくら使うかは人によって違うので、金額の正解は示せません。まずは毎月の支出を一度書き出して、使途がはっきりしないお金がどれくらいあるかを見るところからで十分です。
米田は、キャリア支援で仕事を整えて使えるお金を増やし、その次にどう使うかを考える、という順番で話します。収入を上げる話と、使い方を整える話は、どちらが先でもなく両方必要になります。
信用は、誰からのどんな信用か
同僚や組織からの信用です。実績を積み上げて、「この人なら任せられる」と言われる状態を指します。
社外の知名度やSNSのフォロワー数を思い浮かべた方もいるかもしれません。米田が挙げるのは、もっと近い範囲です。期日を守る、詰まったら早めに相談する、引き継ぎの資料を残す。こうした積み重ねが、次に任される仕事の大きさを決めます。信用がある人には、難しい案件や新しい領域の話が先に回ってきます。その結果としてスキルも伸びる。この順番は意外と見落とされます。
信用は転職しても消えません。一緒に働いた人の記憶に残るからです。だからこそ、辞めるときに揉めるのはもったいないと米田は話します。黙って淡々と次へ進むのが一番です。
あなたの周りで「あの人に頼めば大丈夫」と言われている人は、どんな仕事の仕方をしているでしょうか。観察してみると、技術力以外の要素がかなり含まれているはずです。
今日からできる次の一歩
ENFIの受講生が最初に取り組むのは、BE-DO-HAVEというキャリア棚卸しです。今持っているもの(Have)を書き出し、ありたい姿(Be)を言葉にして、その差から行動(Do)を決めます。スキル・お金・信用の話も、この順番でやると手が動きます。
今日は、紙でもメモアプリでもいいので、次の3行を書いてみてください。
- スキル: 直近1年で関わった案件と、そこで自分が担当した役割を1行で
- お金: 今月、使途をはっきり説明できない支出がいくらあったか
- 信用: 直近で「ありがとう」と言われた仕事は何だったか
3行そろうと、どれが一番薄いかが見えます。全部を同時に厚くする必要はありません。薄いところに、来月の時間とお金を少しだけ寄せる。それを何回か繰り返したころには、ニュースを見て焦る回数が減っているはずです。
よくある質問
スキル・お金・信用のうち、何から始めればいいですか。
まずは今持っているものを書き出すところからをおすすめします。3つとも、現在地が分からないまま増やそうとすると動きが止まりやすいからです。書き出したあとで、一番心細いと感じたものから手をつけてください。
エンジニアにとっての信用とは何ですか。
米田は、同僚や組織からの信用だと話します。実績を積み上げて「あの人なら任せられる」と言われる状態です。社外の評判より先に、今いるチームの中で積み上がるものだと考えてください。
お金の備えは、どのくらいあれば安心ですか。
必要な額は生活費や家族構成で変わるため、一律の金額は示せません。先に毎月の生活費を把握して、何か月分あれば落ち着いて判断できるかを自分で決めるほうが現実的です。金額より、使い方の無駄を減らす習慣のほうが先に効いてきます。
スキルを磨いていれば不況は乗り切れますか。
スキルは大事ですが、それだけだと選べる幅が狭くなることがあります。お金の備えがないと今すぐ稼げる選択肢しか選べませんし、信用がないと任される仕事が増えません。3つを少しずつ並行して育てるほうが安定します。
AIが普及すると、エンジニアの仕事はなくなりますか。
米田は、エンジニアは不要にならないと考えています。AIは扱えると強くなれる道具であり、AIによって新しい仕事も生まれているからです。変化に合わせて自分の役割を見直すことのほうが現実的な備えになります。