COLUMN

生成AIでSESはなくなる? SESで働くエンジニアが今考えたいこと

公開日 著者 ENFI編集部 監修 米田葵

この記事の結論

SESは発注する企業とエンジニアの両方に必要な仕組みで、すぐにはなくなりません。ただ単純作業はAIに置き換わるので、お客様に選ばれ続けるためのスキルを自分で選んで積みましょう。

生成AIの進化で、SESの将来を心配する声がXで広がっています。一次請けの募集が減る、二次請け以降の案件が縮む、AIを使える人から抜けていく。なかには「脱SESするしかない」「SESで働いているのが情けない」という投稿もありました。

SESで働いている人がこれを読めば、自分の仕事はなくなるのか、今のうちに抜けるべきなのかと不安になると思います。私は、SESという仕組みはすぐにはなくならないと考えています。そのうえで、SESで働く人が今考えておきたいことを整理します。

SESは、AIでなくなる?

SESは発注する企業とエンジニアの両方にとって必要な仕組みなので、AIが進んでもすぐになくなるとは考えていません。SES(システムエンジニアリングサービス)は、エンジニアがお客様の現場に入り、契約にもとづいて技術支援をする働き方です。

発注する企業にとっては、短期間で必要な人材をすぐに確保できるのがメリットです。エンジニアにとっては、経験が浅くても現場に入り、活躍できる可能性が高まります。会社や先輩たちの信頼で仕事をもらえるので、個人の実績がまだ少ない時期でも現場に入れます。経験の浅い人を受け入れてくれる場所は、正直それほど多くありません。

SES営業という仕事があるのも、エンジニアが技術者であって、営業の専門家ではないからだと米田は考えています。

二次請け以降の単純作業は、AIに置き換わっていく

案件が一律に減るわけではありません。ただ、二次請け以降の案件は縮んでいくと米田は考えています。手順の決まった単純作業は、依頼先が人からAIに置き換わっていくためです。

「AIを使える人はSESを出てフリーランスになる」という声については、米田にはその実感がありません。むしろ、AIを使える人材を求めているのは企業のほうではないかと見ています。

米田はAIをドーピングのようなものだとよく話します。エンジニアが使いこなせば、できることが大きく増えるという意味です。企業がAIを使える人材を求めているなら、AIを使いこなせることは、SESの現場でお客様に選ばれる理由になります。

SESで働くのは恥ずかしいことではない

SESはビジネスの上で必要とされている仕組みです。そこで働くことを恥じる理由はありません。

SESで新卒から何十年もエンジニアを続けている人を、米田は本当にすごいと感じています。

代表・米田の視点 SESの話題で持ちきりですが、最初に入る場所としてはおすすめできるし、ビジネスの視点でも必要な存在だと思っています。必要とされている仕事なんだから、そこで働くエンジニアが恥ずかしいわけがないんです。SESで働いている人には、誇りを持ってほしいです。

あなたが不安に感じているのは、SESという働き方そのものでしょうか。それとも、今の現場で何も積めていない気がすることでしょうか。

SESで働きながら、選ばれるエンジニアになる

SESは、必要がなくなったときに真っ先に契約を切られる立場でもあります。お客様から選ばれるエンジニアでいることが、自分の仕事を守ることにつながります。

そのために米田が大事にしているのは、常にトレンドを追いかけることです。今のAI時代に、お客様がどんなスキルを持つエンジニアを求めているのかを考え、それに合わせて学ぶことや入る案件を選びます。

米田自身は派遣エンジニアとして9年ほど働きました。振り返って思うのは、入ってすぐに転職を考える必要はないけれど、5年後のキャリア像は描いておくべきだったということです。当時はその日の仕事をこなすので精いっぱいでした。先を見据えて動けていたら、もう少しよかったと話しています。

ENFIでは、キャリアを考えるときにBE-DO-HAVEの順番で書き出します。Have(今持っているスキルや経験)を棚卸しし、Be(5年後になっていたい姿)を言葉にして、その差を埋めるDo(行動)を決めます。行動の選び方は人によって違います。

選び方 向いている状況
今の現場に残る 担当範囲が広がっていて、Beに近い経験が積めている
案件を変える 単純作業が中心で、Beに必要な経験が今の現場では積めない
転職する 会社の事業や評価の仕組みが、Beの方向と合わない

ENFIは転職ありきで考えません。SESでスキルをつけたあとに、転職でキャリアアップを目指すのも選択肢の一つです。どれを選ぶかは、HaveとBeを書き出してから決めれば十分です。

今日からできる次の一歩

  1. 今の現場で担当している作業を書き出し、手順どおりにこなしている作業と、自分で判断している作業に分ける
  2. 5年後に「あの人といえば○○」と言われたい専門性を、1行で書く

手順どおりの作業はAIに置き換わりやすい部分です。2つ目に書いた専門性と見比べると、次に入りたい案件や、今学ぶことを決める材料になります。

よくある質問

SESは生成AIでなくなりますか

すぐになくなるとは考えていません。発注する企業は必要な人材を短期間で確保でき、経験の浅いエンジニアは現場に入る機会を得られます。この両方の需要は、AIが進んでも残ります。

SESで働いていることを恥ずかしいと感じてしまいます

SESはビジネスの上で必要とされている仕組みで、そこで働くことを恥じる理由はありません。気にするべきなのは働き方の名前より、今の現場でどんな経験を積んでいるかのほうです。

AIで減りやすいのはどんな案件ですか

二次請け以降で、決められた手順をこなす単純作業の案件は縮んでいくと考えています。作業の依頼先が人からAIに置き換わっていくためです。

SESに入ってすぐ、転職を考えたほうがいいですか

入ってすぐに転職を考える必要はありません。ただ、5年後にどんなエンジニアになっていたいかは早めに書き出しておくと、案件や学ぶことを選ぶときの基準になります。