COLUMN

SESで現場を変えたいとき、営業に何をどう伝えるか

公開日 著者 ENFI編集部 監修 米田葵

この記事の結論

現場を変えたいときは、次の現場で積みたい経験を具体的に営業担当へ伝えると話が進みやすくなります。転職の前に試せる手段のひとつです。

今のSESの現場を変えたいけれど、営業担当にどう切り出せばいいか分からず、何も言えないまま契約の更新を迎えることがあります。

現場を変えることは、転職の前に試せる手段のひとつです。会社を辞めずに、働く環境と積める経験を変えられる可能性があります。ただし、営業担当への伝え方によって、話の進み方は変わります。

現場を変えるべき状況と、続けてもいい状況はどう分ける?

心身に負担が出ている場合や、これ以上積める経験がない場合は、現場を変えることを考えたほうがいい状況です。逆に、まだ学べることが残っているなら、もう少し続けるという判断もあります。

米田は、新しい学びや経験があるか、次のステップに進める環境かどうかを判断の基準にしています。作業は回っているけれど、半年前と同じことを繰り返している。そういう状態が続くなら、環境のほうを変える検討に入ります。

ここで一緒に整理しておきたいのが、「会社を辞めたい」と「現場を変えたい」は別だということです。不満の中身が現場の業務内容や人間関係にあるなら、現場変更で解決する可能性があります。評価制度や給与の決まり方、会社の事業そのものに引っかかっているなら、現場を変えても同じ感覚が残りやすいです。

ENFIは転職ありきでキャリアを考えません。今のタイミングで比べられる選択肢を並べると、こうなります。

選択肢 向いている状況 最初にすること
今の現場を続ける 学べることがまだ残っている。任される範囲が広がる見込みがある 次の半年で何を身につけるかを決める
現場を変える 業務内容が固定され、新しい経験が積めない 積みたい経験を言葉にして営業担当に相談する
転職する 会社の事業内容や評価の仕組みに納得できない 今の経験を書き出し、どんな会社なら近づけるか調べる

どれが正解かは人によって違います。不満の数を数える前に、自分が5年後にどうなっていたいかを決めておくと、選びやすくなります。

営業には、何をどう伝える?

次の現場で積みたい経験を具体的に伝えると、営業担当は動きやすくなります。営業担当の仕事は、クライアントに提案できる形を作ることだからです。

「この現場は合わないので変えてほしい」とだけ伝えると、営業担当は次に何を探せばいいか分かりません。一方で「今はテスト工程が中心なので、設計から関われる現場に行きたい」と伝えれば、探す条件になります。クラウドの構築を経験したい、チームのリーダー役を任される規模の現場がいい、といった言い方でも同じです。

言葉にするときは、ENFIがキャリア棚卸しで使っているBE-DO-HAVEの順番が使えます。まずHaveとして、今の現場で担当した工程と使った技術を書き出します。次にBeとして、5年後に「あの人といえばこれ」と言われたい領域を決めます。その差を埋める経験が、次の現場に求める条件になります。順番を逆にして先に条件だけを考えると、ただの希望リストになりがちです。

代表・米田の視点 私も派遣で働いていたとき、現場を変えてほしいと伝えたことがあります。学ぶことが少なくなって単調になってきたので、キャリアアップのために異動したい、と直球で伝えました。

伝えるタイミングも、契約の更新時期を踏まえて決めます。更新の直前に切り出すと、営業担当が次の現場を探す時間が足りなくなります。更新の時期を確認して、余裕をもって相談しておくと、選択肢を探す時間を取れます。

営業担当との関係で、普段からしておくこと

現場の状況や今後の希望は、困ったときだけでなく普段から共有しておきます。何も接点がない状態で急に「変えてほしい」と言われるより、ずっと相談しやすくなるからです。

米田は、雑談ベースでいいので最近の動向や会社のことを自分から聞いておくことをすすめています。アンテナを張っている人だという印象になり、話が通りやすくなります。たとえば、最近どんな案件が増えているか、どの技術の引き合いが多いかを聞いてみる。営業担当はクライアント側の情報を持っているので、自分の学習の方向を決める材料にもなります。

営業担当を交渉相手だと思うと、構えてしまいます。米田は、SES営業やフリーランスエージェントがいるのは、エンジニアが技術者であってビジネスマンではないからだと考えています。契約や単価の交渉を代わりにやってくれる立場の人です。希望を持っていく相手として扱ったほうが、お互いに動きやすくなります。

しばらく営業担当に希望を伝えていないなら、近況の共有をかねて一度連絡してみてください。

今日からできる次の一歩

今日は、次の現場で積みたい経験を1つ書き出してください。技術名でも、工程でも、役割でもかまいません。

  1. 今の現場で担当している工程と使っている技術を書き出し、そのうえで「次に経験したいこと」を1つ決める
  2. 営業担当に近況を共有する日をカレンダーに入れる。契約の更新時期を確認し、それより前に相談の時間を取る

現場を変えるかどうかは、今日決めなくて大丈夫です。積みたい経験を1行でも書いておけば、営業担当との次の会話で、探してほしい現場の条件として伝えられます。

よくある質問

現場を変えたいと伝えたら評価が下がりませんか?

会社の方針や担当者によって違うので、一律には言えません。不満だけを伝えるのではなく、次に積みたい経験として伝えると、前向きな相談として受け取られやすくなります。言い方を整えるだけでも、受け取られ方は変わります。

契約期間の途中でも現場を変えられますか?

契約内容や会社の規程によって違います。まず営業担当に、現在の契約の更新時期と、現場変更を進めるときの流れを確認してください。更新のタイミングが分かれば、いつまでに何を伝えるかを逆算できます。

現場を変えても状況が変わらなかったらどうしますか?

次の選択肢として、転職や社内での役割の見直しを並べて考えます。その場合も、自分が積みたい経験を言葉にしておくと、どの選択肢が近いかを比べる材料になります。

「学ぶことがない」と言うのは失礼になりませんか?

今の現場や一緒に働く人を否定する言い方にならなければ、失礼には当たりにくいです。現場の価値を認めたうえで、自分が次に身につけたい技術や役割を具体的に挙げると、相談として伝わります。